たった300円で購入できるスリーコインズの観葉植物。
スリコの観葉植物はかわいい陶器鉢付きのことも多く、おしゃれな上、お得感もあってついつい衝動買いしてしまったという方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなスリーコインズで購入した300円の小さなパキラを、大きく育てる方法をご紹介します。
スリーコインズの観葉植物「パキラ」を大きくする方法【300円】
ちょっとしたポイントを抑えるだけで、たった一年程でボリュームのある株に育てることができますよ。
それでは、小さなパキラが大きく育っていく様子とともに手順をみていきましょう。
手順①新しい環境に慣らす
スリーコインズで購入直後のパキラです(上写真)。購入したのが12月であったため、葉が寒さでしおれ元気がなさそうですね。
そして、自宅へ持ち帰ってきて最初に悩むのが置き場所です。パキラは暖かい場所を好む植物です。とはいえ、植物は極端な環境の変化に弱いという特徴もあります。
- 購入したのが冬の場合…植え替えは控え、室内のレースカーテン越しの窓際に置く。ただし、夜間は窓からの冷気でダメージを受けやすいため、夜になったらお部屋の中心部に移動してやるとよい。朝になったら窓際へ。外の気温が安定して15度以上になったら水はけの良い土に植え替える。
- 購入したのが春・秋の場合…気温が20度~30度であれば植え替え、風通しのよい半日陰に置く。屋外に置くと生育がよくなる。直射日光は避ける。遮光ネットを利用するのもよい。
- 購入したのが真夏の場合(30度以上)…室内のレースカーテン越しの窓際へ置く。暑さが落ち着いて30度以下になったら水はけの良い土に植え替える。西日に当てない。
▲ダイソーの遮光ネット
葉焼けを防ぐためにも数日かけて徐々に日光に慣らす
まずは、いきなり強い光には当てずに、できるだけ販売されていた場所に近い環境を用意しましょう。とはいえ、だいたいが日当たりの悪い店内に置かれていたことでしょう。
この場合、いきなり明るい場所に置くと「葉焼け」を起こす可能性があります。そのため、数日かけて少しずつ日光に慣らす必要があります。
また、パキラは直射日光で葉焼けを起こしやすいという特徴もあるので、室内であればレースカーテン越しの窓際が理想的です。
▲葉焼けの症状
屋外(15度以上)なら半日陰ですね。遮光ネットを利用するのもよいでしょう。
よい例:室内のレースカーテン越しの窓際(7日)⇒安定して15度以上なら屋外の日陰(7日)⇒屋外の半日陰(こもれびのような場所)
悪い例:購入後、いきなり直射日光に当てる(西日も含む)⇒葉焼けを起こす原因になりえる
手順②適期であれば植え替える
スリコや100円ショップなどで販売されている観葉植物の多くが、保水性の高い密度のある土に植え付けられています。
そのため、土を見ると「カラッカラ」か「びしょびしょ」のどちらかである場合が多いはずです。
これは、店頭で管理する場合に「手入れが楽だから(水やり後に長く放置できる)」という理由で、このような土に植え付けられているようです。
▲虫が湧きにくい室内向けの土もある
しかし、観葉植物の多くは水はけよく通気性にすぐれる土を好みます。
根の生長を促すためにも、購入後はできるだけそれぞれ植物に適した土へ植え替えるのが大きく育てるポイントです。
▲植え替え後のパキラ
パキラの植え替えは春から秋の暖かい時期におこなう(できれば20度以上)
パキラの植え替えに適しているのは、生育がさかんな春から秋の暖かい時期です。
気温が15度以下の寒い時期は、植え替えによって株に大きなダメージを与え、そのまま弱らせてしまうこともあるため避けます。
手順③風通しのよい半日陰に置く
植物が育つ上で欠かせないのが「水」「光」、そして「風」です。
植物は風を受けることで葉にある気孔の開閉が活発になり、光合成がさかんになるといわれます。
特にパキラは蒸れを嫌うため、風通しのよい場所で管理することで根腐れも予防することが可能です。
窓を閉め切る真夏や真冬はサーキュレーターを活用するのがおすすめ!
窓を閉め切ることが増える真夏や真冬はどうしても風通しが悪くなります。
風通しが悪くなると、生育が緩慢になるだけでなく、根腐れや病害虫を引き起こす原因にもなるのですね。
そこで活躍するのがサーキュレーターです。室内の空気をかき混ぜるようにしてくれるため、一か所に溜まった湿気や冷気、暖気を効率的に動かすことで空気の流れを作り出します。
特に、室内でたくさんの観葉植物を管理されている方には、サーキュレーターは必須アイテムといってもいいでしょう。
手順④春~秋は肥料を与える
パキラは気温が15度以上になると徐々に生育が盛んになります。特に、20度~30度いかないくらいの時期がもっともよく育ってくれますよ。
この時期には肥料を適切に与えることで、生育をよくして葉の色つやをよくすることができます。
筆者のおすすめは「ハイポネックス」です。昔からある定番の液体肥料ですね。(下写真)
▲見たことがある方もおおいはず
これを水で約500倍に薄めて水やりとして与えるだけです。1リットルのジョウロならキャップ約1/10程度のハイポネックスを薄めます。(下写真)
▲ブルーの原液は水で薄めると淡い水色になる
これを、土がしっかりと乾いたタイミングで2週間に1回程度あたえます。ハイポネックスは15種類の栄養素がバランスよく配合されているため、効果が実感しやすく断然おすすめです。
比較的どこでも売っている肥料なので、入手しやすいのも嬉しいポイントですね。ホームセンターや園芸店には、必ずといっていいほど置いてある肥料のひとつです。
手順⑤根詰まりしたら植え替え
▲植え替え前のパキラ
「鉢底から根がはみ出る」「水やり後、土に水分が浸み込むまで時間がかかるようになった」「鉢に対して地上部がかなり大きくなった(アンバランス)」
などの症状が見られたら、鉢内が根で詰まる「根詰まり」のサインです。
根詰まりすると生育がスムーズにいかないどころか、放置することで根が腐って傷む「根腐れ」を引き起こす恐れもあります。
▲3回目の植え替え前
ひとまわり大きめの鉢(今の鉢より直径プラス3cm程度がベスト)に植え替えましょう。ただし、冬場(気温15度以下の時期)の植え替えは避けてくださいね。
また、30度以上の高温期の植え替えも避けた方が無難です。葉焼けや蒸れの影響で株がダメージを受けやすい時期だからですね。
このようにして、根詰まりしたらその都度適期に植え替えしていくと、生育旺盛なパキラはどんどん大きくなってくれますよ。
※補足…パキラの植え替えは最低でも2年に1回行うのが理想的とされています。ただ、風通しのよい屋外で管理し、かつ適切に肥料を与えている場合は想像以上に根が育ちます。特に、水はけのよい上質な土に植え付けている場合はこれが顕著です。今回、ご紹介したパキラの場合、1年半の間に3回ほど植え替えをしています。ただし、冬場の植え替えは株に大きな負担を与えてしまうため避けてくださいね。
ひょろひょろになっている場合は日光不足が主な原因
上写真はスリーコインズで購入して約一年半のパキラです。購入当初は高さ15cmほどでしたが、1年半後には高さ40cmほどまで大きく育ちました。
また、高さは出るものの、葉と葉の間隔が伸びてひょろひょろとしている場合は日光不足が主な原因です。その場合は置き場所を見直してみてくださいね。
※ただしすでに徒長した部位は元に戻りません。樹形を整えるためには切り戻しが必要になります。
スリーコインズの観葉植物「パキラ」を大きくする方法【まとめ】
今回は、スリーコインズで購入した300円のパキラを大きく育てる方法をご紹介しました。
たった300円で買えるスリーコインズの観葉シリーズ。コンパクトで置き場所に困らないため、手軽に購入する方も多いでしょう。
そして、300円という安さから「万が一枯れても諦めがつきやすい」というのも購入する理由のひとつかもしれません。
しかし、小さいからこそ大きく育てるまでの過程を楽しむこともできます。日に日に大きく育っていく植物を見ていくのは本当にうれしく楽しいものです。
この楽しみがたった300円で得られるとは、やはりスリコはコスパがいいですね。
今回の記事を参考に、ぜひ、スリコでお気に入りの観葉植物を見つけたら大きく育てることに挑戦してみてください。
そして万が一、枯らせてしまったとしてもそこで終わりにせず、ちょっとだけ原因を探ってみましょう。そして、懲りずにまた300円をスリコに支払いリベンジしましょう。
すると、だんだんと植物を長く、丈夫に育てられるようになっていきます。
▲小さかった頃
たった300円の小さな植物ですが命あるものです。長く育てていくうちに愛着が沸いて、わたしたちが疲れたときには癒しをくれる大きな存在になるはずですよ。
スリコで300円のパキラを大きくする方法
- まずは新しい環境に慣らす
- 適期であれば植え替える
- 風通しのよい半日陰に置く
- 春から秋の暖かい時期(安定して15度以上)は肥料を与える
- 根詰まりしたら適期に植え替え
※パキラは空気中の水分量が高い状態を好むため、乾燥しがちな時期は、葉水で水分を吹きかけてやると葉が過度の乾燥で傷むのを防げます。
▲熱帯地方が原産の観葉植物は葉水(はみず)を好む