光沢のあるグリーンの葉が美しく、丈夫で枯れにくいパキラは観葉植物として高い人気を誇り続けています。
そんなパキラの魅力といえば光沢のある濃い緑色の葉っぱ。しかし、いつの間にか葉の一部が色が白く抜けたようになってはいませんか?
そこで今回は、パキラの葉が白くなる原因と対処法をご紹介します。
パキラの葉が白い原因とは?葉が白くなったときはどうすべき?
パキラの葉の一部が白く色が抜けたようになる場合、考えられる一番の原因が「直射日光による葉焼け」です。
葉がランダムに白い、色が抜けているような場合は葉焼けの可能性が高い
パキラは日当たりのよい場所を好みます。
ただ、耐陰性(少ない日光でも育つ力のこと)もあるため、室内で楽しめる観葉植物として人気なのです。
ただし、いくら日光を好むパキラとはいえ、真夏の直射日光に晒し続けると葉が焼けて傷みます。
いわゆる「葉焼け」。
室内で葉焼けすることはあまり無い
あくまで筆者の経験上ですが、室内で葉焼けすることはほぼ無いです。
葉焼けは主に、窓を通さない直射日光下に置いた場合に起こりえます。特に、真夏は高温により葉焼けを起こしやすいです。
室内の場合、日光は窓を通すことで約30%遮光されるといわれます。
最近の窓ガラスは紫外線カット加工が施されているケースも多いよ。
植物にとって紫外線は光合成する上で必要なエネルギーですが、強すぎると葉が白く焼けてしまいます。
暗い場所から急に明るい場所へ移動した場合も葉焼けは起こりうる
暗い場所から急に明るい場所に移動することもパキラの葉を傷ませる原因になります。
室内の弱い光に慣れたパキラを、春になってから急に屋外の日向に出すのは×。
葉が強光に対応しきれず葉焼けを起こします。
植物は急激な環境の変化が苦手だよ。
残念ながら、一度白くなった葉は元に戻せない
残念ながら、葉焼けによって白くなった葉を元の緑色に戻すことはできません。
また、色素が抜けて白くなった部分は光合成をおこなうこともできなくなります。
もちろん、葉焼けしたからといってすぐに枯れることはありません。しかし、葉焼けした面積が増え続けることで、光合成によって生成できる養分が減ります。
その結果、株が弱っていくこともあるのです。
葉焼けに気付いたら株への負担を最小限に抑えるためにも、できるだけ早めに置き場所を見直すことが大切。
気になるならカットしてもok
すでに色が抜け白くなった葉を元に戻すことはできませんが、どうしても気になるのであれば、白くなった部分をカットするのもよいでしょう。
ただ、緑色の部分はまだ光合成ができます。また、葉焼けした部分は放っておくと自然に枯れ落ちることもあります。
ただ、株が小さく緑色の葉が少ない場合は無理に切り取らないのがおすすめ。
パキラの葉焼けを防ぐためには直射日光を避ける
現地である熱帯アメリカでは、高さ10m~20mにもなるというパキラ。本来は日光が大好きな植物です。
一年中、室内に置きっぱなしだとどうしても光線不足に陥りやすいよ。
とはいえ、いきなり屋外の直射日光に当てたり、真夏の直射日光に晒し続けると葉焼けを起こし葉が白く変色してしまいます。
その場合は遮光ネットを使ったり、時期によっては室内に移動するのがおすすめです。
室内なら南向きの窓際へ、西日がきつい場合はレースカーテンで調節
室内であれば南向きの窓際がベスト。できるだけ風通し良く管理するのが適しています。
株を充実させて丈夫に育てたいなら、気温が許す限りは屋外の半日陰に置くのがおすすめ。目安は15度~20度以上です。
屋外に置く場合は葉焼けに気を付けて。直射日光は避け、半日陰に置くよ。特に気を付けたいのが夏場の西日。
30度以上になったら日陰へ移動したり、場合によっては室内へ避難させることも検討します。
遮光ネットを設置できるならそれがベストです。
室内の場合もやはり夏場の西日に要注意。様子をみて葉が変色するようならレースカーテンで日当たりを調節してね。
パキラの葉の先端だけ白くなっている場合は?
パキラの葉先だけが白く変色している場合、以下のような原因が考えられます。
パキラの葉先だけ白くなる主な原因①摩擦によるもの
葉がふんわり広がるような樹形のパキラ。葉先が人や物に当たっていませんか?
葉先が擦れることで細胞が傷み、葉先のみ茶色く枯れることもあります。
また、葉っが茂り過ぎている場合、葉っぱ同士が擦れることもひとつの原因です。
摩擦で葉先が白くなる時の対処法
- どうしても気になるようなら白くなった葉先だけハサミでカットしてもok。ただしカットした部分からまた茶色くなっていく
- 葉が茂り過ぎているなら春~秋の暖かい時期にカットする
- 人や物が当たらない場所に置く
気にし過ぎないことも大事!
パキラの葉先だけ白くなる主な原因②空気の乾燥
パキラは寒さに弱いため、秋~冬にかけては室内管理がメインです。
ただ、秋~冬にかけての室内はかなり空気が乾燥します。
空気が乾燥すると蒸散を促進する。葉の細胞が水分不足になると葉先や葉の縁から傷みやすい。
空気の乾燥で葉先が白くなる時の対処法
- 葉の裏面を中心に霧吹きで水分を吹きかける(葉水)
- 室内に温湿度計を置いて寒さと空気の乾燥に注意する
- 加湿器を設置して空中湿度を高める
ちなみに保湿は葉水をメインにしてね。理想的な湿度は70%以上だけどそれは難しいから、最低でも50%以下にならないようにすると良い。
パキラの葉先だけ白くなる主な原因③水切れ
蒸れを嫌うパキラですが、あまりにも長い間水遣りをしないでいると水切れを起こします。
過度の乾燥に晒されることで葉が傷み、葉先から白く枯れ込むことがあります。
水切れで葉先が白くなる時の対処法
- 土が乾いていることを確認してから、たっぷりと水を与えて様子をみる
- 土が湿っている場合は他の原因が考えられるため水遣りは控える
水の遣り過ぎも×だけど、水の遣らな過ぎも×。とはいえ、初心者の場合は水の遣り過ぎで失敗しがち。
パキラの葉先だけ白くなる主な原因④根詰まり
パキラは根詰まりを起こすと鉢の中が根でいっぱいになり、水分や養分をスムーズに取り込めなくなります。
以下の症状がみられる場合、根詰まりの可能性があります。
- 2年以上植え替えていない
- 鉢底から根がはみ出ている
- 水遣り後、水分が土に浸み込むまで時間を要するようになった
- 土が以前よりカチコチになっている
根詰まりで葉先が白くなる時の対処法
- 春~秋の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替える
- 肥料を与えるのは根詰まりを解消し、植え替えから1か月ほど経ってから
パキラの葉先だけ白くなる主な原因⑤葉の老化(新陳代謝)
株元近くの古い葉だけが白くなっている場合、新陳代謝によるものと考えられます。
葉っぱは付け根に向かう程若い細胞です。そして、葉の先端にいくほど古い細胞になります。
葉の根元よりも先に傷みやすいのが葉先。
水切れで葉先が白くなる時の対処法
- 気になる場合は白くなった部分のみカットする
- 適期に切り戻して新しい葉を出させ仕立て直す
パキラの葉が白いだけでなく色が悪い…と感じる場合は害虫が付いていないかチェックしよう
葉の色がただ単に白いというだけでなく、「なんとなく色味が悪い」「葉がベタベタする」などという場合、
ハダニやカイガラムシなどの害虫が付いている可能性もあります。
葉の裏や付け根を重点的にチェック
葉の裏や付け根、茎回りなどに小さな虫が付いていないか確認しましょう。
ハダニやカイガラムシがパキラにつくと、吸汁によって樹液を吸われ葉がまばらに変色します。
また、ハダニの場合は葉の付け根や茎などに蜘蛛の巣のようなものが付着します。
カイガラムシの場合は葉や茎にベタベタとした物質が付着するのが特徴です。
見つけたら早目に取り除くことが大切!
▲口針を刺して葉や茎に張り付いていることが多いため、綿棒やブラシなどで確実にこそげ取る
これらの害虫を見つけたらできるだけ早めに取り除きます。放置し続けることで葉の傷みが拡がり、株自体を弱らされてしまうこともあるからです。
また、カイガラムシがまき散らすベタベタとして排泄物は「すす病」を引き起こす原因にもなります。
これらの害虫は一年中発生する恐れがありますが、特に、暖かく・乾燥した場所で湧きやすいです。
パキラの葉が白くなる原因は?葉が白くなったときの対処法を解説【まとめ】
今回は、パキラの葉が白くなる原因と対処法をご紹介しました。
葉が白くなる場合、主に葉焼けが疑われます。ただ、害虫の可能性も捨てきれません。
まずは株全体をよく観察し、葉の裏や付け根に茶色い粒々や白い粉のようなもの、蜘蛛の巣のようなものがついていないか確認してみてください。
その際、植物を上から見下ろすのではなく、できれば鉢を持ち上げて下から見上げるようにすると小さな異変にも気付きやすいですよ。
パキラの葉が白くなる主な原因、対処法
- 直射日光による葉焼け➡すでに葉焼けした部分を元に戻すことはできない。早目に置き場所を見直すか遮光ネットを使用する。白くなった部分がどうしても気になるならカットしてもよい。ただし、葉が少ないなら光合成できる部分を少しでも多く残しておいた方がよい。
- 害虫による被害の可能性もあり➡葉の表裏、付け根、茎まわりをくまなく確認し、小さな虫がついていないか確認する。もしついてたらすぐに取り除く。
パキラを育てている人におすすめの便利アイテムはこれ
☆★土に挿しておくだけで土の乾き具合を測定。最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれる「水やりチェッカー」↓↓
☆★鉢を浮かせて内部の余分な水を排出。鉢内の蒸れを防ぐことで根腐れから根を守る「ポットフィート」↓↓