色鮮やかなグリーンの子葉が四方に広がるパキラ。涼し気な見た目と育てやすさからインドアグリーンとして定番化しつつある人気の観葉植物です。
今回は、そんなパキラの育て方を日本一わかりやすく解説いたします。
パキラを育てている方は、この記事をブックマークしておくと、困ったときに役に立つよ!
パキラの水やり頻度はどれくらい?
土が乾いてからたっぷりとが基本。ただし時期によって異なる
パキラの水やりは「土が乾いてからたっぷりと」が基本です。ただし、気温の下がる秋~冬にかけては土を乾かし気味にする必要があります。
その理由は、寒さで生長が鈍っているからです。生長が鈍ると根が水分を吸う力も弱まります。
そのため、気温が下がっているのにも関わらず、暖かい時期と同じスパンで水をやり続けていると、土が常に湿った状態となることで根が腐りやすくなるのです。
冬の根腐れを防ぐためにも、天気予報をチェック。最低気温が15度以下になってきたら、水やりを控え目にシフトしてね。
春~秋(最低気温15度以上が目安)
- 土が乾いたタイミングで鉢の底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと水やり
冬(最低気温15度以下が目安)
- 土が乾いてさらに3~4日ほどしてから常温の水を土の約1/3が湿る程度に水やり
※冬は夜間の水やりを控える。理由は、鉢内に残った水分が朝晩のうちに冷え、根を傷めてしまう恐れがあるから。特に冬は根を冷やしやすいため、水やりは午前中の暖かいうちに済ませる。
パキラはどこに置いて育てるのが良い?
まずはじめに、日本では「室内で育てられる観葉植物」として知られるパキラですが、本来は日光を好みます。
主な原産地は熱帯アメリカで、現地では太陽の光をサンサンと浴びながら、高さ約10m以上にまで育つ熱帯性の植物です。
パキラは耐陰性(たいいんせい・室内の少ない光でも育つ力のこと)があるため、室内でも育てられます。
ただ、あまりにも日当たりが悪いと枝ばかりが日光を求めてひょろひょろと間延びするでしょう。これを「徒長(とちょう)」といいます。
やや徒長気味のパキラ
日光不足によって徒長したパキラは、見た目が弱々しくなるだけでなく、株自体もちょっとした環境の変化に弱くなります。
パキラ本来の美しい葉とフォルムをキープするためには、室内の南~東向きの窓際に置くのがベスト。
ただ、冬場の窓際は朝晩にかなり冷え込みます。真冬は、夜になったらパキラを窓から1~2m離し、冷えを防ぎましょう。
春~秋におすすめの置き場所(最低気温15度以上が目安)
- 室内なら南~東向きの窓際。葉が焼けるようならレースカーテンで調節。
- 最低気温が安定して15度以上になったら屋外の日陰~半日陰に置くと生育がよくなる。ただし、夏は葉焼けを起こすため直射日光を避ける。(下画像)
冬におすすめの置き場所(最低気温15度以下が目安)
- 室内の南~東向きの窓際。ただし、夜になったら窓から1~2m離して冷え込みを防ぐ。お部屋の中心近くまで移動しておくと安心。朝になったら元の場所へ。
鉢が重くて移動が大変…という場合は、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利だよ!
パキラの植え替え頻度、方法は?
パキラは生長の早い植物です。1~2年以上植え替えていないと、鉢の中が根でいっぱいになったり、土の劣化によって根が蒸れやすくなります。
植え替える場合は春から秋の暖かい時期に済ませましょう。目安となるのは天気予報です。最低気温が15度以上の時期にします。
春~秋の植え替え(最低気温15度以上が目安)
- 1~2年に一度、新しい土で植え替える
- 根詰まりしている場合はひとまわり大きめ(直径プラス3cm程)の鉢を用意する
冬の植え替え(最低気温15度以下が目安)
- 基本、おこなわない
パキラの肥料はどうすべき?
パキラを色つやよく、丈夫に育てたいなら、春から秋にかけての生育期に肥料を与えます。
もちろん、土に含まれる養分のみでも問題なく育つことが多いですが、株を充実させたり、葉の色つやを良く育てたいなら、適期の肥料が効果を発揮します。
肥料を与える条件は主に2つ。1つ目は「株が弱っていないこと」、2つ目は「春から秋の暖かい時期であること(最低気温15度以上が目安)」です。
株が弱っている時や冬場に肥料を与えると、逆に根を傷めて「肥料焼け」を起こすこともあります。
春~秋の施肥(最低気温15度以上が目安)
- 液体タイプ、置き肥タイプ、混ぜ込みタイプなどから自分が使いやすいものをチョイス。
ちなみに筆者は春に植え替え、その際に「マグァンプK 中粒」を土に混ぜています。
混ぜ込みタイプの肥料なら効果が約一年続くので、いちいち肥料を与える手間が省けますよ。もちろん、効果もばっちり。
プラスで月に1~2回ほど、水で約500倍に薄めた「ハイポネックス原液」も与えています。(下画像)
ちなみに、もっとも手軽なのは、土の表面にポンと置くタイプの肥料です。
こちらは効果が約2か月持続。ゆっくり穏やかに効果を発揮するタイプです。↓↓
冬の施肥(最低気温15度以下が目安)
- 基本、不要である
パキラに付きやすい害虫は?虫の駆除方法も解説
室内管理のパキラに付きやすいのが「カイガラムシ」「ハダニ」です。これらの害虫がパキラに付くと、葉を変色させて見栄えを悪くします。
さらに、害虫が増殖すると被害箇所が増え、株自体を弱らせてしまうことも。最悪、他の植物にまで被害が及ぶ恐れもあるため、見つけ次第取り除くことが必要です。
残念ながら、水を吹きかけたくらいでは取れないことが多い…。特にカイガラムシは口針を葉や茎に差し込み、張り付くようにして寄生している。
そのため、綿棒や使い古しの歯ブラシ等を使って確実にこそげ落す必要があるのです。ピンセットでも構いません。
パキラの葉がベタベタする…白い綿のようなものや蜘蛛の巣状のものが付いている…そんな時は要注意!
- パキラの葉がベタベタする…カイガラムシが寄生している可能性あり。まずは、茶色い粒々のようなものが付着していないか確認。ベタベタはカイガラムシの糖分を含む排泄物。放置しているとカビの原因になる。茶色い汚れやべとつきは、綿棒やブラシ、ティッシュ等を使って綺麗に拭き取ること
- パキラの葉や茎に白い綿のようなものが付いている…コナカイガラムシが寄生している可能性あり。放っておくと吸汁によって葉を変色させる。見つけ次第駆除。早目に取り除けば被害は少なく済む。増殖のスピードは遅め。とはいえ、油断は禁物。
- パキラの葉や茎に蜘蛛の巣状のものが付いている…ハダニの可能性あり。放っておくと葉をまばらに変色させる。早目に拭き取ることが大切。(下画像)
取っても取っても再発する・多すぎて取り切れない・触るのが苦痛…こんな時は殺虫剤の使用も検討
取っても取っても取り切れない…気持ち悪くて触りたくない…。そんな方におすすめなのが、カイガラムシやハダニ専用の殺虫剤です。
カイガラムシにおすすめなのがカイガラムシ エアゾール。使用から約1か、効果が持続します。
ハダニにおすすめなのはモストップジンR スプレーです。ハダニはもちろん、アブラムシにも効果を発揮します。
パキラの水やり頻度はどれくらい?パキラ初心者向けに解説【まとめ】
ということで、今回はパキラの育て方を水やり、置き場所、植え替え、肥料、害虫に分けてご紹介しました。
室内で簡単に育てられるパキラですが、丈夫で色つやのよい状態を保ちたい場合は置き場所が重要です。
気温が20度以上であれば、屋外の日陰~半日陰に置くとより生育がさかんになりますよ。下写真は、ダイソー100円で購入したパキラです。
水やりや置き場所、適期の肥料や植え替えで手をかけてやると、思っていた以上に葉を茂らせ大きく育ってくれます。
手をかけた分だけ答えてくれる健気なパキラ。楽しみながら気長に育ててみよう!