パキラを挿し木で増やす方法がくわしく知りたい!でもやり方がイマイチ分からない。
園芸用語なしでパキラの挿し木のやり方を初心者にも分かりやすく写真付きで解説してほしい!
- パキラの挿し木を水から土に植えつけるまでの工程・手順
- 発根したパキラの挿し木を水から土に移行する方法
- 挿し木のパキラを太くしたいときに押さえておくべきポイント3つ
- パキラを挿し木で増やす【メリット・デメリット】
- パキラを挿し木を水から土に植えつける方法【まとめ】
パキラの挿し木を水から土に植えつけるまでの工程・手順
「挿し木(さしき)」とは、切って挿すだけで植物を増やすことができる、元祖・クローン技術です。パキラの挿し木はとても簡単。伸びすぎた茎を使って気軽に挑戦してみてね。
パキラの挿し木 手順①適期は5月~6月頃
パキラの挿し木に適しているのは、春先~秋にかけての時期です。 ただ、より失敗を少なくするためには生長期初期にあたる5月~6月頃におこなうのがおすすめ。 春先に挿し木をすることで根が張りやすいだけではなく、寒さが厳しくなる冬までにより多くの根を張らせられます。冬までにできるだけ多くの根を張らせることで冬越しに備えられるよ。パキラは寒さに弱い植物。寒い時期の挿し木は避けてね。
パキラの挿し木は「梅雨挿し」がおすすめ
「梅雨挿し」という言葉をご存じですか? 植物を挿し木で増やす場合、暖かく湿気が一定に保たれた環境が成功させるためのコツです。つまり、梅雨時期はパキラの挿し木に適した時期といえるね。梅雨時期に挿し木するのが「梅雨挿し」だよ!
パキラの挿し木 手順②枝先から10cm程カット
パキラの挿し木をするにはパキラの枝が必要です。今あるパキラから枝先10cm程度をカットします。葉の面積を減らしておく理由
挿し木の下半分くらいの葉はカットしておきます。葉が多いと水や土に差す際に邪魔だからです。 また、葉が多すぎると蒸散によってたくさんの水分が失われます。つまり、葉が多すぎると、発根する前に枯死してしまう恐れもあるのですね。発根前の枯死を防ぐためにも、葉が多い場合は穂先の葉を1~2枚ほど残し、それ以外の葉は取っておくのがおすすめ!
パキラの挿し木 手順③水や土に差して発根を待つ
1か月程で、水に浸けている部分の茎に白い粒々が出現し始めます。白い粒は少しずつ伸びて根っこになります。
採取したパキラの挿し木は水に差します。 根っこが出てくるまでは3~5日に1回程度、水を替えてあげましょう。
土に挿してもいい?
もちろん、そのまま土に挿しても構いません。 しかし、パキラの場合は発根していなくても新しい葉や茎が伸びる場合があります。水差しにして約1か月後。茎だけでも、うまくいけば新芽が出てきます。
心配な場合は、水差しで発根を確認してから土に植え付けるのがおすすめです。
水差しにして約2か月後。新しい葉がたくさん展開しはじめました
土に挿す場合は、市販の「挿し木用の土」を使ってください。無ければ、バーミキュライトや赤玉土(小粒)でもokです。
「清潔である」「水はけが良い」「養分が少ない」の3点をクリアしているのが挿し木用の土の条件。使い古しの土は雑菌の侵入により挿し木を弱らせてしまう恐れがあるんだ。
パキラの挿し木 手順④発根したら、水から土に植え付ける
無事、発根が確認できたら水から土に移動します。上記に記載した挿し木用の土に植え付けましょう。 水から土への植え替え作業は日陰でおこないましょう。水から土への植え付け方法は次の項目でくわしくご紹介します。水から土へ移行後は根が張るまで土が乾き過ぎないように注意
土に移行後は根がしっかり張るまで土が乾き過ぎないよう気を付けましょう。水差しで発根させた根はあくまで「水をダイレクトに吸う仕様の根」。だから、新しい根が張るまでは「挿し木用の土」が安心だよ。
発根したパキラの挿し木を水から土に移行する方法
無事パキラの挿し木が発根したら水から土に移行しましょう。もちろんそのまま水差しで楽しむこともできる。ただ、大きく丈夫な姿に育たてたいなら土に移行するのが◎。
パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順①鉢を用意
まずは、鉢を用意します。あれば鉢底ネットをいれておきましょう。 大きすぎず小さすぎず、挿し木の量に合うサイズを選びます。大きすぎる鉢を選ぶと水遣りの管理が難しくなる
挿し木に対して大きすぎる鉢を選ぶと水遣りの管理が難しくなります。 しっかり発根するまではやや小さめの鉢で管理するのがおすすめです。鉢が大きすぎると、根が吸いきれずに残った水分が長く鉢内に留まり続けるよ。すると鉢内の高湿状態が続き、根腐れしやすくなるよ。
パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順②鉢底石を入れる
鉢内の水はけをよくするために、あらかじめ鉢底石を入れておきます。 土は徐々に粒が崩れて団子状になります。しかし、鉢底石は軽石である場合が多く崩れにくいです。小さめのビニールポットの場合は鉢底石なしでもok
小さめのビニールポットで管理する場合は鉢底石なしでも構いません。 使用する土は清潔で水はけの良いものがベスト。根がしっかり張るまでは肥料も不要です。鉢底石を入れて置くことで鉢内の水はけが確保されるよ。パキラは蒸れを嫌うから、面倒でも鉢底石は入れておこう。
パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順③土を鉢の1/3程入れる
鉢植えの高さ1/3くらいまで土を入れておきます。どんな土がいいの?
発根済みとはいえ、土に植え替えてしばらくは生長が不安定になります。 養分の多すぎる土だと根に負担をかけることも考えられます。 もっとも安心なのは挿し木・種まき用の土です。 無ければ、観葉植物用の土に赤玉土(小粒)や鹿沼土(小粒)、バーミキュライトやパーライトなどを半分くらい混ぜ込みます。ちなみに「赤玉土」や「鹿沼土」「挿し木用の土」や「パーライト」「バーミキュライト」などは100均にも売ってるよ。
パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順④挿し穂を入れて高さ調整
水から挿し木を取り出し、新しい鉢植えに配置しましょう。 土表面が鉢の縁から下2~3cmにくるように土の量を調整し、植え付ける位置を決めます。挿し木に触れて抵抗を感じるようになれば発根したサイン
挿し木に触れてみて抵抗を感じるようになったら土に根が張ったサイン。 水差しで発根させた根はあくまで「水を吸うための根」です。しっかり土に適応するまでは、土が乾き過ぎないよう気を付けなければならないんだ。
パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順⑤挿し穂と鉢の隙間に土を詰める
鉢植えを持ち上げて「トントン」と軽く地面に打ち付けながら、土がしっかりと行きわたるようにしてね。
ウォータースペースを設けよう
鉢のギリギリまで土を入れると水が溢れて、土も外に流れ出てしまいます。 これを防ぐために設けるスペースを「ウォータースペース」といいます。 鉢の縁から2~3cmくらい下のラインに土の表面がくるようにしてください。パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順⑥たっぷり水やり
植え替え後は、鉢底から出てくる水が透明に近くなるまでたっぷりと水を与えます。たっぷり水やりするのは、なぜ?
あらかじめ、たっぷり水を与えることで土の中にある汚れや粒子を流しだします。このようにすることで、水遣りの度に受け皿が汚れるのを防げるのです。 また、発根しているといっても、植え替えたことで植物には大きなストレスがかかっている状態です。水から土に植え替えられた植物はまだ水を吸い上げる力が足りないよ。根が張るまでは土の乾き過ぎに気を付けてね。
パキラの挿し木を水から土に移行する方法 手順⑦直射日光を避け、風通しの良い場所で管理
植え替え後は人間でいうと「手術の後」のような状態です。大きなストレスがかかっているため、いきなり直射日光に当てるのは避けます。 一週間程は風通しのよい半日陰に置いて休ませてあげてください。半日陰ってどういうこと?
植物の専門書やネットでよく目にする「明るい日陰」や「半日陰」という表現。具体的には、以下のような環境をさします。- 日光の当たっている場所のすぐ隣の陰
- 木漏れ日のような日光が当たってたり当たってなかったりする場所(ルクス値は、約10000~15000)
「室内の明るい場所」ではちょっと足りないかも。暖かい時期(20度前後)なら、ベランダや軒下などの日陰~半日陰に置くのがおすすめ。
挿し木のパキラを太くしたいときに押さえておくべきポイント3つ
パキラを挿し木で増やしたものの、幹がなかなか太くならない…。
ただ、お手入れを続けることで挿し木のパキラでも太く育てることはできるよ!
挿し木のパキラを太くしたいときに押さえておくべきポイント①室内なら南~東向きの窓際がベスト
パキラを室内で育てているなら南~東向きの窓際に置くのがベストです。 窓から離れていたり、陰になる場所に置いていたりすると日照不足によってなかなか太くなりません。春~秋は屋外の日陰~半日陰に置くと生育がさらに良くなる
春~秋の暖かい時期はできれば屋外の日陰~半日陰に置くのがおすすめ。 室内の場合に不足しやすいのが「風」です。植物は適度な風を受けることで気孔の開閉がさかんになり光合成が盛んになります。適度な風にさらされた植物は枝や茎が丈夫に育つよ。適度な風に当たることで倒れないように適応しようとするんだ。
挿し木のパキラを太くしたいときに押さえておくべきポイント②1~2年に1回の植え替え
地上部の生長とともに鉢の中の根も広がります。 植え替えないまま2年以上放置していると、鉢内が根でぎゅうぎゅう詰めになります。カチコチに固まった土を更新するためにも植え替えは欠かせない作業
植え替えは根詰まりを解消するだけじゃありません。 土は経年によって徐々に粒が崩れ、カチコチにかたまり水はけが悪くなるのです。 古くなった土を更新するためにも植え替えは欠かせない作業です。根詰まりを放置していると根がスムーズに水分を取り込めない。それどころか根腐れを起こすリスクも高まるよ。
挿し木のパキラを太くしたいときに押さえておくべきポイント③春の切り戻し
挿し木のパキラを太くするためには春~梅雨時期にかけての剪定が効果的です。 株が弱っていないことを確認した上で、太らせたい部分のやや上を思い切って切り戻します。切り戻し後は水の与え過ぎに要注意
切り戻すことで栄養を幹に集中させることができます。うまくいけば2か月後には葉が茂ります。挿し木のパキラを太くしたいときに押さえておくべきポイント④冬は生長よりも現状維持
冬は「太くする」よりも「現状維持」です。 天気予報を見て最低気温が15度以下になってきたら、パキラの生長が徐々に緩慢になります。冬の肥料は基本不要。サーキュレーターをまわして風通し良く管理して根腐れ・カビを防ぐ
生育が緩慢になる冬は肥料は不要です。 取り込めないほどの肥料は根を傷める原因になることもあります。また、窓を閉め切りがちになる冬は室内の空気循環が悪くなることで、根腐れやカビが発生しやすい。サーキュレーターをまわして空気に流れを作って。
パキラを挿し木で増やす【メリット・デメリット】
パキラを挿し木で増やす【メリット】
- 親株と同じ性質をもつパキラを簡単に増やせる
- すぐに株を楽しめる(種からだと大きくなるまでに時間がかかる)
パキラを挿し木で増やす【デメリット】
- 株元がふっくらと太らない、まっすぐのまま(種から育てたパキラは根元がふっくら肥大します)
「パキラを種から育ててみたい?」
パキラの種子はなかなか入手困難でしょう。そんなときは、ダイソーに行ってみてください。
ときどき、種から発芽させたパキラが売られています。(春先によく見かける気が。)
パキラの実生株は見つけたらラッキー。種から育てた株を「実生(みしょう)」というよ。
パキラを挿し木を水から土に植えつける方法【まとめ】
今回はパキラを挿し木で増やす方法をご紹介しました。 パキラは大きく育つとそこから枝をとって簡単に増やすことができます。 今回の記事を参考に、楽しみながらパキラの挿し木に挑戦してみてくださいね。パキラを挿し木で増やす方法【手順】
①適期は5月~6月頃 ②枝先から10cm程カット ③水に差して発根をまつ ④発根したら水から土に植え付けるパキラを挿し木で増やすメリット
- 親株と同じ性質をもつパキラを簡単に増やせる
- すぐに株を楽しめる(種からだと大きくなるまでに時間がかかる)
パキラを挿し木で増やすデメリット
- 株元がふっくらと太らない(まっすぐのまま)
パキラの挿し木に挑戦予定の方におすすめのアイテムはこれ!
☆★パキラを育てているなら1本は持っておきたい。切れ味の良いはさみで株への負担を最小限に抑える↓↓パキラの美しい樹形を保つなら定期的な剪定が不可欠!
☆★挿し木に使えば発根を促進してくれる効果も。植物の活力剤「メネデール」
カットしてすぐの挿し木をメネデール100倍溶液に2~3時間浸ける。発根をサポート!
☆★水差しで発根させたパキラの挿し木を土に以上する際に最適な土
☆★虫が苦手…でも室内でパキラを元気に育てたい!そんな方におすすめの殺虫・防虫効果のある肥料↓↓
パキラ1株に対して付属のスプーン1杯分のマグアンプDを土に撒くor混ぜ込むだけ
☆★パキラを日当たりイマイチな環境で栽培しているなら。太陽光に似た光を照射することで日照不足をサポート